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パン教室から始まった25年。ヨーロッパの風薫る「Boulangerie Convivialite」

パン教室から始まった25年。ヨーロッパの風薫る「Boulangerie Convivialite」

Boulangerie Convivialite
Boulangerie Convivialite

 

笹塚駅から徒歩10分。閑静な住宅街の中に、オレンジ色のかわいい看板が見えてきます。交差点の一角に立つこの場所が「Convivialite(コンヴィヴィアリテ)」。ヨーロッパの伝統製法で作られたパンづくりを学び、味わえるお店です。

 


店舗と教室が一体となったユニークなスタイルのお店は、店主の伊藤清治さんが自宅でパン教室を開いたことから始まりました。それが現在では多くのメディアに取り上げられるほどの人気店になり、パン教室には全国から生徒さんが集まります。そんなコンヴィヴィアリテの歴史とこだわりを伺いました。

 

本場フランスのバゲットに憧れて

伊藤さんがパン作りにのめり込むきっかけとなったのは、本場フランスのバゲットでした。本で知ったその味わいは、日本で提供されるものとはまったく異なり、強く惹かれるものがあったそう。やがてフランスを訪れ、現地でパンの製法や食文化を学ぶことになりました。「35年ほど前、自分が求めるバゲットは日本のどこにもありませんでした。それなら、自分で作ろうと思い立ったんです」と伊藤さんは振り返ります。

日本とフランスでは使っている小麦粉や水が違うため、日本で一般的に流通している素材を使っても、理想の味から遠くなってしまいます。また、フランスでは朝食用のパンはその日の朝に買うのが当たり前で、焼きたての鮮度を何よりも重視する文化も、現地で身をもって体感しました。

 

 

バリッとした食感を持ちながら、手で裂けるほどしなやか。水分をたっぷり含み、豊かな風味が広がる伊藤さんのバゲットは、フランス滞在を通じて培った理論と技術に支えられています。帰国後も会社勤めを続けながら、最適な材料や調理道具を取り寄せ、本格的にパン作りに没頭していきました。

やがて、自ら焼いたパンをアウトドアの場で振る舞うと、たちまち評判に。その人気を受け、週末には自宅でパン作りを教えるようになり、2000年に「コンヴィヴィアリテ」として正式にパン教室をスタートしました。

 


 

趣味のパンづくりが本業に。こだわりを伝える教室

伊藤さんのパン教室には同僚や知り合いのみならず、多くの生徒さんが集まるようになりました。伊藤さんが得意とするハード系のパン、バゲットやクロワッサンを学びたい人が中心で、すでに他のパン屋で働きながら通う方もいるのだとか。

「お店でパンを作れることと、教えるのが上手いことはイコールではありません。日々の仕事に追われていると、なかなか時間をとって教えることも難しいでしょう」と伊藤さん。趣味で始めたからこそ、こだわりや基本を突き詰め、そのノウハウを丁寧に伝えることができるのかもしれません。


 

これまで教室で教えてきたメニューは、パンとケーキを合わせて累計1,000種類ほど。ひたすら麺棒の使い方を特訓する3時間のコースや、サワークリームのさっぱりした味わいが特徴のコンヴィヴィアリテ流クロワッサン、天然酵母と長時間発酵のパンづくりを学ぶコースまで、ニーズとレベルに応じた技術を学べます。

「あるとき5年間独学でバゲットを作り続けた方がいらっしゃいました。『ここでやってもダメなら諦める』くらいの覚悟でしたが、バゲットの作り方をしっかり練習したら見違えるほど上達し、涙が出るほど喜んでくれました」と嬉しそうに振り返る伊藤さん。しっかりと技術を学んだ生徒さんの中には、ポップアップで出店したり、自分のお店を立ち上げたりする人たちも現れています。


 

パン教室を続けること13年。自宅の隣の土地がたまたま空いたことから、会社の早期退職制度も利用して、2013年に店舗(ブーランジェリー)をオープンしました。「当時は54歳。定年まではちょっと早いけれど、いい機会だと思って」と意気込み、理想の調理器具が使えるよう店舗を設計し、新たなスタートを切りました。

パンの美味しさはそのままに、店舗を持ったことで新たなシナジーも生まれました。専門業者とのつながりが深まり、より良い素材や機材が手に入るようになったほか、店で売るためのパンの味や日持ちを意識した研究も進みました。さらに、店舗でのパン作りや運営を学ぶ機会の創出など、パン教室の内容にもポジティブな変化が生まれつつあります。




街のニーズと確かな技術が交差する

 

伊藤さんが惹かれたヨーロッパのパンたちは、若い世代を中心に人気を集めています。創業当初からこだわり続けるバリッと香ばしいバゲットや、甘さ控えめでスパイスが薫る「北欧風カルダモンロール」。ケシの実クリームやあんずジャムの風味が特徴的なドイツパン「モーンゲベック(写真上)」など、見た目にも楽しいラインアップは、笹塚駅改札前にあるUna-casita(おなかすいた)店の中にあるパンコーナーでも販売されており評判です。


 

駅から4分ほどの距離にある店舗では、日々の暮らしに寄り添う食パン(パン・ド・ミ)やメロンパンなど、日本で長く親しまれてきたクラシックなメニューが人気。動物パンのコンテストで全国1位に輝いた「迷子の子猫パン」は、ふわふわ&もちもちの食感が魅力で、店舗オープン後に開発した新たな定番メニューとして親しまれています。

独学から始まったパン作りは、やがて確かな技術となり、教室や店舗を通じて多くの人へと広がっていきました。フランス語で「食事を共にする楽しみ」や「団欒」を意味する「コンヴィヴィアリテ」という店名の通り、美味しいパンを囲む人々の笑顔があふれる光景が目に浮かびます。パン教室で学ぶもよし、店舗やオンラインで購入するもよし。伊藤さんが情熱を注ぐヨーロッパのパン、その魅力をぜひ味わってみてください。

 

ご注文はこちらから → Boulangerie Convivialite-ハックツ!