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浅煎りコーヒーを日常に。自家焙煎の味わいが楽しめる三軒茶屋「Karmann coffee」

浅煎りコーヒーを日常に。自家焙煎の味わいが楽しめる三軒茶屋「Karmann coffee」

三軒茶屋駅から駒澤大学駅へ向かい、賑やかな駅前を離れて歩くこと約10分。高速道路に沿って通りを進むと、ふと漂うコーヒーの香りに気付くはずです。その魅力に惹かれて辿り着いたのが、今回紹介するお店「Karmann coffee」。店長の広木正美さんが切り盛りする、自家焙煎コーヒーのお店です。

 

 

Karmann coffeeが提供するスペシャルティコーヒーは浅煎りがメイン。果実のような香りと甘みや酸味が調和し、奥深い旨味が堪能できるのが特徴です。ハンドドリップで淹れるコーヒーだけでなく、日本酒や自家製のクラフトコーラなどの多彩なメニュー、そして自宅でのコーヒータイムを彩るたくさんの豆を提供するお店の魅力を掘り下げます。

 

 

美味しい浅煎りコーヒーを楽しむために

 

Karmann Coffeeの店内には数種類のコーヒー豆がずらりと並び、その香りを確かめながら選ぶことができます。豆は南半球、北半球、アフリカや南米など、世界各地から季節に応じて厳選。焙煎には超高温かつ短時間で仕上げる独自の手法を用い、香りと味が際立つ特別な一杯を作り上げています。

初心者でも気軽に試せるよう、甘みや香りのレベルをメニューに明記し、自分好みの一杯を見つけやすくしているのも特徴。こうした工夫や広木さんの気さくでわかりやすい説明が、多くの人に新しいコーヒーの魅力を伝えています。

 


メインで扱うケニア産のほか、エチオピアやパナマなど選択肢は豊富。いずれもフルーティで苦味が少なく、冷めても美味しく味わえるものばかり。仕事帰りに店内で一息つくもよし、自宅で丁寧に淹れてリラックスするもよし。そんな日常に溶け込み、心を和ませるコーヒーたちが、この地域に新たなファンを生み出しています。

 

異業種からの転身と、お店を開くまでの試行錯誤

異業種でキャリアを築いていた広木さんは、家庭の事情をきっかけに転職を決意。以前から興味のあった飲食業界に飛び込み、大手企業で経験を重ねる中で、次第にコーヒーへの関心を深めていきました。特に深煎りコーヒーは体質に合わなかったものの、浅煎りコーヒーは最後まで美味しく飲めたことから、浅煎り専門店を開く目標が生まれました。

 

飲食店で働く傍ら、セミナーや時間貸しスペースを利用して焙煎技術を磨いた広木さん。他の店では学べない、自分ならではの焙煎テクニックやノウハウを蓄積していきました。そして、ついには「自動車一台分くらい」の金額を投じて、念願の焙煎機を購入しました。

最も苦労したのは物件探しでした。コーヒーの提供だけでなく店舗での焙煎も行うため、その香りや煙が周囲の環境を選びます。特に住宅街や商店街の中心部では受け入れられにくく、何十件もの物件で相談を重ねた結果、高速道路沿いで窓を開ける住まいの少ない今の場所にたどり着きました。

 


さらに広木さんはこう語ります。「東日本大震災で帰宅困難者が出たとき、この地域の飲食店が水を配ったりしている姿を目にしました。そのとき、自分がお店を持つなら地域に貢献できる存在でありたいと思ったことも、飲食店を始めた理由の一つです」。


コーヒーの楽しみを拡張するためのメニュー開発

浅煎りコーヒーの歴史は、深煎りコーヒーほど長くはありません。輸送条件などの影響で、20~30年ほど前から世界的に広がり始めたスタイルで、日本ではまだ馴染みが薄い状況です。三軒茶屋周辺にも専門店はなく、Karmann coffeeがその先駆けとなりました。

オープン後には、初めて浅煎りコーヒーを口にしたお客さんが驚くことも多く、やがてその香りと味わいが評判を呼び、人通りの少ない立地にも関わらず訪れる人が増加。オンライン販売も好評で、利用者はますます拡大しています。

 

浅煎りコーヒーの味わいを最大限に楽しめるように、ドリンクメニューは幅広く、さらに独自のメニュー開発にも力を注いでいます。たとえば「ヒロ・コーラ」は自作のクラフトコーラ原液シロップ。コーヒーとコーラを合わせる「エスプレッソコーラ」を作る際、市販のコーラでは味わいを損ねてしまったことから、広木さん自身でレシピを研究して作り上げたというから驚きです。

 

 

日本酒好きの常連客との交流から生まれたユニークな取り組みも。店頭でレアな日本酒を楽しめるだけでなく、コーヒーと日本酒をブレンドした特別なドリンクも提供。仕事帰りに一杯楽しむのはもちろん、休日のリラックスタイムやお酒の締めにコーヒーを味わうといった、この場所ならではの贅沢な楽しみ方が可能です。

 

豆を購入する人とドリンクを注文する人の比率はおよそ半々。浅煎りコーヒーが日常の一部となり、多くの人々に親しまれていることがわかります。浅煎りコーヒーはドリップの際に少しテクニックが求められるため、店頭ではドリップ講習も実施。習得した技術を試すべく、「ここで一杯淹れさせてください!」とお客さんがカウンターを借りることもあるそうです。この距離感の近さこそが、Karmann coffeeが多くの人に愛されている理由のひとつでしょう。

 

おわりに

浅煎りというニッチな領域に挑みながら、その魅力を丁寧に伝え続けるKarmann coffee。三軒茶屋から少し離れた街並みの中で、コーヒーと人々をつなぐ大切な存在として、これからも多くの心を温めていくことでしょう。

 

店名の「Karmann」は、液体中に置かれた物体の周りに発生する渦を示す「カルマン渦」という科学用語からとったもの……というが表向きの理由で、本当は自分が好きな自動車の名前が由来です、と笑いながら教えてくれた広木さん。インタビュー中、終始明るい笑顔で、時折お茶目な一面ものぞかせながら語るその人柄も、お客さんを惹きつける大きな魅力の一つになっているのだと感じられました。

 

 

ご注文はこちらから → Karmann Coffee-ハックツ!