世田谷区三宿の住宅街に佇むブーランジュリー ボネダンヌ。フランスで修行を重ねたオーナーシェフの荻原さんが、本場パリの味と雰囲気を守り続けています。店内はフランスのパン屋をイメージ、お気に入りのアンティークがお客様を温かく迎えます。看板商品のバゲットのサンドイッチはバターとハムのシンプルな組み合わせで、1日に100本が売れる人気商品です。2022年には食べログ パンTOKYO百名店にも選出されました。地域の幅広い層のお客様から愛される本格的な味わいはどのように生まれたのか、荻原さんに聞きました。
本場の味に魅せられて
オーナーシェフの荻原さんは、25歳の時にパティシエを志しフランスへ。1年半の修行中、バゲットにスーパーのハムを挟んだサンドイッチのシンプルながら深い味わいに感動したのだと言います。そこで30歳手前で再度渡仏。始めはショコラティエとして専門店で働きますが、やはりパンの勉強がしたいとの思いを強め、4年間パン屋で修行に励みました。帰国後、知人の誘いで五反田のパン屋に立ち上げから携わり3年間勤務。本場の美味しさを日本にも広めたい、そしてフランスで学んだ技術や経験を受け継いでいきたいという想いから、2013年、世田谷区三宿に自身のお店「ブーランジュリー ボネダンヌ」をオープンします。
店名の由来は「ロバの耳の帽子」
店名の「ボネダンヌ」はフランス語で「ロバの耳の帽子」という意味。「友達が教えてくれたんですが、昔のフランスでは悪いことをするとロバの帽子を被せて壁を向いて立たせるという風習があったんだそうです。その話を聞いて、当時のフランスはいい時代だったんだろうな、かわいいなって思ったんです。そこから名前をつけたんですよ」。店内の装飾にもこだわっており、フランスのルーツのもので揃えられています。アンティーク家具もたくさん集められたそう。お店に入るとロバの木馬がお出迎え。ほっこりした気持ちにさせてくれます。
フランスでは地域のパン屋さん同士がお休みをずらして取ったり、曜日ごとに開いているパン屋さんをお客さんに教えてあげたりする習慣があるそうです。そんな優しい雰囲気やおおらかさに惹かれた荻原さんは、フランスの文化を日本にも伝えていきたいと語ります。「フランスのパン屋では、大昔に確立された技術や経験を次の人に受け継いでいくという考えがあります。ですから、受け継いでくれる人がいれば教えたいし、将来独立を希望する方を積極的にスタッフに迎えています。実際に開業したスタッフも何名かいるんですよ」。
バターとハムの絶品サンドイッチ
ボネダンヌの看板商品はバゲットのサンドイッチ。数種類ある中でもおすすめなのは、バターとハムのシンプルなものだそうです。幅広い方に愛され、平日でも100本以上売れるそう。原料はフランス産の小麦粉を取り寄せ、気候や水質の違いに苦心しながらも本場の香りと味わいを表現しています。完全に同じものは作れないものの、パリで味わったおいしさにこだわり、突き詰めていきたいと荻原さんは語ります。「フランスで学んだ基本的な軸を大きくは変えないようにしたいと思っています。ただ、地域のお客様の声は大切にしたいので、そこからエッセンスを取り入れるようにしています」。お客様のお声が聞こえてくるのも、地域に根差したお店ならでは。「三宿は成熟した街だと感じますね。流行りに流されないというか、一人一人が自分の感覚で判断して、ご自身で気に入ったら買ってくれるという方が多い。ありがたいですよね」。
ベーシックな伝統を守り、これからも変わらずに同じものをコツコツと作り続けていきたいと語る荻原さん。そんな荻原さんが焼くパンは、フランスで学んだ技術と経験が活かされ、地域に愛されています。ぜひ、ご賞味ください。
ご注文はこちらから → ブーランジュリーボネダンヌーハックツ!
公式Instagram → ブーランジュリーボネダンヌ Instagram
食べログ → ブーランジュリーボネダンヌ 食べログ